“ジェームズ・ボンド”は女のロマンでもあった。

ジェームズ・ボンド 007

007シリーズの最新作「007 SPECTRE」を見た。

毎回、ボンド・ガールを見るのが楽しみの一つだが、今回の映画で特筆すべきは、
ボンド・ガールが二人登場すること。

しかも、20代と50代という女性の幅を感じるキャスティングが新しい。

今までのボンド・ガールを振り返ると、世相を反映しているような側面があると感じるが、
今回のボンド・ガールは、美貌やナイスバディといった外見的な女性の美しさというよりも、
大人の女性ならではの内面の成熟だったり、インテリジェンスをもった自立した女性が
でていることが印象的だった。

メインは医師である非常に聡明な女性、レア・セドゥ演じるマドレーヌ。
彼女は今までのボンド・ガールのイメージを覆す、ナチュラルでクリーンでありながら人を
惹きつける魅力を備えている。

インテリジェンスがこんなにも女性を魅力的にするのかと、ハッとさせられた。

私などは“ボンド、いちいちカッコいい…”とため息をもらしてしまうのだが、
彼女は自立したタフな女性で、そもそもボンドを必要としていない。

それ故に、なかなか恋に落ちない。
そんなところも、今回のボンド・ガールの新しい側面ではないだろうか。

そして、もう一人のボンド・ガール、もといボンド・ウーマンはイタリアの至宝と
評される、モニカ・ベルッチ演じるルチア・スキアラ。

登場シーンはさほど多くないが、強烈な大人の色香で映画に華を添えている。

イタリアのローマで、ボンドがルチアと初めて出会う葬儀のシーンは、静謐な中に
官能が混ざり合い、何とも言えない大人の濃ゆい時間の流れを感じることができる。
喪服は時に女性を美しく見せると言われているが、悲しみの中に強さと脆さを併せ持ち、
凛と一瞬の隙も無く佇む姿は、ボンドならずとも心を奪われてしまう。

歴史ある美しいローマの地で、成熟した男と女が多くを語らずとも混ざり合う様は、
筆舌しがたいほどに美しい。ぜひ、実際に一度見て体感して頂きたいと思う。

 

私は、歴代のボンドの中でもダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが一番好きだ。

心に傷を負った男ならではの愁いを帯びた瞳が母性本能をくすぐる。
ほどよく引き締まった肉感ある身体は、女に守ってくれそう、という期待を抱かせるには十分だ。

特筆すべきは、“腰のくびれ”。

よく、男性に女性の身体でどこに惹かれるかを聞くと“腰のくびれ”という声を聞くが、
女性にとっても男性の“腰のくびれ”が非常にセクシーだということに気づかされた。
腰がくびれていることで、胸筋がより大きく感じられ、お尻が上がって見える。

ボンドの着ているスーツはかなりタイトめだが、腰のくびれにより、
エレガントでありながら男らしいスーツ姿に仕上がっている。

スーツ姿も美しいが、タートルネック姿にはさらに悶絶する。
こんなにも、タートルネックをセクシーに着こなせる男がいるのか、と
つっこみたくなるくらいだ(笑)

今回の映画では、スーツからカジュアルな服装、雪山でのファッションなど
様々なボンドが見られるので、男性にはぜひ着こなしの参考にして頂きたい。

今回、007をみて改めて思ったのが「逃げないマインドを持った男はかっこいい
ということ。

しかし、現実的には男は弱く逃げる生き物だとも言われている。

そういった意味では、スポーツカー、オメガの時計、仕立ての良いスーツ、
いい女にモテまくる、といった男のロマン満載の映画だが、女にとっても
今や絶滅したと思わざるをえない「逃げない男」を堪能できるロマン溢れる映画だといえる。

今回、新しいヒロイン像としてタフなマインドとインテリジェンスを併せ持つ独立した女性が、
最終的にはボンドの心を捕らえるわけだが、人生において何があっても“男に逃げない女”と
女から逃げない男”が引き合うのかもしれないと自戒をこめて思った次第である。

恩田 雅世(おんだ まさよ)  コスメティックプランナー

投稿者プロフィール

コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。
フリーランスとして“ベルサイユのばらコスメ”など様々な企画・プロデュース業に従事。
化粧品を企画する中で「美しさとは何なのか」を追求した結果
「化粧品だけでは綺麗にならない」という考えに行きつく。

現在は、「女性が本当に美しくなるためには」をテーマに、あらゆる角度からの
情報収集のみならず、現場主義をモットーに自ら体験取材を行っている。

また、その経験を活かした商品提案、イベント企画、執筆活動も行っている。

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